下痢、腹痛でお困りの方へ良い漢方あります②【京都四条河原町漢方錦】
2023/07/07
本当に数日湿度の高い日が続いています。
京都市中京区 四条河原町 漢方錦 石蔵友紅子(いしくらとくこ)です。
この外気の湿気の影響(外邪と言います)をうけて下痢や軟便気味になる方も多いくらい
日本人は胃腸が弱い人が多い民族です。
前回は、急性の軟便、下痢、腹痛についてでした。
今日は慢性、反復性の下痢について書きます。
◎脾気虚(ひききょ)
食べ過ぎ飲みすぎ、冷えたなどの明らかな原因のないもので、慢性的に反復して
下痢をする人です。
もともと胃腸が虚弱、老化などにより、消化管での吸収の機能が低下して
生じる下痢です。
一昔前は、「男の子は胃腸が弱くすぐに下痢をしやすい。」と言われたものですが
(余談ですが、最近は男性でも便秘する人が増えています。)
症状は、泥状~水様便が1日に数回あり、食べると排便する傾向にある。
腹痛は伴わないことが多い。その他には、疲れやすい、空腹感が少ない、
食べるとお腹が張るなど。
★漢方薬による改善方法
消化吸収能力を高める漢方薬を服用します。
◎脾陽虚(ひようきょ)
脾気虚の状態が長く続くと、脾の陽虚へと移っていきます。
症状は、脾気虚の症状に、冷えが加わります。冷えてお腹が痛む、手足の冷え、寒がり、
下痢はやはり1日に何回もトイレに行く。疲れやすい、元気がない、空腹感がないなども
脾気虚と似ています。
★漢方薬による改善方法
お腹を温めて代謝や循環を高めて吸収機能を正常にする漢方薬を服用します。
◎肝気横逆(かんきおうぎゃく)
精神的なストレス、自律神経の失調により消化管の機能が乱れて生じる下痢です。
過敏性大腸炎がこれに相当します。
症状は、精神的なストレス、緊張、情緒の変動によって腹痛、お腹が鳴る、下痢をする、
すっきり排便できない。ふだんからイライラしやすい、憂うつ感、怒りっぽいなど。
陰陽五行説では「肝」は自律神経を主ります。「肝」の働きが正常だと「脾」の働きを助けます。
しかし、自律神経が乱れること=「肝」の「気」の働きが乱れて、「脾」の消化吸収する機能を
低下させます。
この時点ではさほど「脾」は弱っていないのですが、ストレスを感じ続けて「肝」の「気」の流れが
悪い状態が続くと、上に書いた「脾気虚」に移っていきます。
★漢方薬による改善方法
自律神経の乱れを正常にするために、「肝」の「気」の流れ(疏泄/そせつ)と言います。
を正常にすることで、脾の機能を強めて乱れさせないようにしていきます。
◎脾虚肝乗(ひきょかんじょう)
もともと脾が弱いために「肝」の「気」が脾の虚の乗じて「脾」の機能を弱めて
下痢を引き起こします。
上の「肝気横逆」は、もとは脾は弱くないのに「肝の気」が乱れるために脾を弱らせていました。
「脾虚肝乗」は脾が弱すぎて、「肝の気」は正常な働きなのに、「脾」の気を弱らせます。
正常な「肝の気」の働きさえ過剰な刺激になってしまうほど「脾」が弱い。という事です。
症状は、ほんの少しの小さなストレスでも情緒が乱れやすく、不安や心配がある、
情緒変動で下痢をする、泥状便、元気がなく疲れやすい、食が細いなど。
脾の弱い人は、クヨクヨしやすい、いつも何かに不安や心配を感じやすい、いつも杞憂を持っている
など精神的に弱いタイプが多いのが特徴です。ちょっとしたことでもストレスになってしまいます。
昔から「ひ弱」=「脾弱」と言います。
★漢方薬による改善方法
脾の機能を高めて丈夫にすることです。肝の血を補って肝が乱れないように安定させておきます。
そうでないと、ちょっとしたことで自律神経が乱れてしますからです。
実際には肝気横逆と脾虚肝乗の両方が絡み合っていることが多いので
両方の漢方薬を併用しることも多いです。
両方のタイプとも心理カウンセリングを受けていただくことも効果的です。
◎腎陽虚衰(じんようきょすい)
慢性的な病気や老化により「腎」が冷えて陽が虚してしまい、脾を温めることができなくなり
脾の機能が低下して下痢をします。夜明け前に下痢をするのが特徴です。
症状は、夜明け前仁ると腹痛、お腹が鳴る、下痢をする、膝や腰がだるい、力が入りにくい、
下半身が冷える、寒がり、頻尿など。
★漢方薬による改善方法
体を温め、特に「腎」を温めて、エネルギー代謝を高める漢方薬を服用して、下痢を改善します。
脾の気を正常にする漢方を一緒に併用するほうがよいです。
下痢腹痛については以上です。