下痢、腹痛でお困りの方へ良い漢方あります①【京都四条河原町漢方錦】
2023/07/04
7月に入りかなりムシムシ暑くなってきました。
京都四条河原町漢方錦 石蔵友紅子(いしくらとくこ)です。
今日(2023年7月4日)京都は37度。ということは
道を歩いている時の体感は38~39度くらいでしょうか。
冷たいものを食べたり飲んだりしたい季節ですが
東洋医学では、冷たい飲食はゼッタイにしてはいけない
と食養生で教えています。
すでに軟便、下痢、胃痛、腹痛を起こしている方も多いかもしれません。
特に日本人は胃腸が弱い民族なので、冷たいものは飲食しないほうがいいのです。
今日から、胃痛、腹痛、軟便、下痢などの胃腸障害を改善する漢方薬について
書いていきます。
先ずは「下痢」から。
◎寒湿困脾(かんしつこんひ)
文字通り、冷たいもののとりすぎ、冷える場所、クーラーのよくきいた部屋に長くいる、
クーラーかけっぱなしで寝る(寝冷え)など。
夏はほぼこのタイプです。
すでにこういう方は多いと思います。
(私はちなみに寝る時は、扇風機を少し遠くから回しています)
冷たい飲食とクーラーによる冷えの上に、外気の湿気が体の中に影響して
下痢をします。
症状は、お腹が冷える、腹痛、お腹が張る、四肢(手足)が冷える、体が重だるいなど。
水様便、あるいは不消化便を下します。
こういう方は、消化吸収能力の弱い、胃腸虚弱の方に多いです。湿気にも弱いです。
冷たいものは極力飲まない食べないを習慣にしてください。
どこに行ってもクーラーが入ってますから、温かいもの(特に飲み物)を飲むとホッと
しますよ。胃腸が元気になる感じがします。
★漢方薬による改善方法
体内を温めて、機能を高めて消化管の吸収を強めることにより、便を正常にします。)
特にお腹、胃腸を温めることにより、体内の湿気(水分)も動かしやすくなり
便ではなく尿で排泄すようにします。この働きを「化湿」(けしつ)と言います。
下痢を止めるのではなく、温めて除湿します。
下痢止めを使用してはいけません。
◎傷食(しょうしょく)
食を傷つけると書いて、食の不摂生、暴飲暴食を意味します。
食べ過ぎ、飲みすぎ、油物で消化のしにくいものをよく食べるなどが原因で
飲食物が胃腸に停滞し、消化吸収を阻害し下痢をします。
暴飲暴食、油っこいものを控えると良いにですが。
症状は、お腹が張る、腹痛、下痢をした方が気持ちが良い、げっぷや排ガスもあります。
便に腐臭、酸臭があります。
★漢方薬による改善方法
このタイプの下痢も下痢を止めてはいけません。
お腹にたまった飲食物を出してしまうほうが良いです。
消化吸収を促進して食物の残骸を排泄します。
◎湿熱阻滞(しつねつそたい)
飲酒、辛いもの、油っこいものを良く摂る習慣を続けていると、
体内に「湿と熱」を生む体質になります。
2つの体質の分かれます。
1,脾胃湿熱(ひいしつねつ)
湿熱が脾胃に停滞して下痢をします。
症状は、腹満、腹痛、下痢、肛門に灼熱感がある、便は泥状で匂いが強い。
吐き気があることもある、体が重だるい、口臭、口が粘る、口は乾くが水分は欲しくない、
などの症状がありますが、すべてがあるとは限りません。
★漢方薬による改善方法
やはり下痢止めは使用しません。
炎症を静めながら、「化湿」、除湿をします。
2,大腸湿熱(だいちょうしつねつ)
湿熱が大腸に停滞します。湿邪が邪魔をして、便が下に降りようとする気を停滞させて
しまします。このタイプは①とは違い、便意があってトイレ行くがスッキリ排便できない、
いわゆる、しぶり腹ですから、とてもつらいです。
少量の軟便や粘液が排出して、残便感があってトイレから出られなくなってしまいます。
★漢方薬による改善方法
炎症とけいれんを止める漢方薬を使用します。
すべてに共通していることは、簡単に下痢止めを使用しないことです。
以上、今日は急性の下痢について書きました。
次回は慢性の下痢について書きます。