京都で更年期を漢方で治す(生理不順のまま更年期に入るとどうなる?)【漢方錦】
2020/12/25
生理不順と更年期のまとめ
今日は生理不順を持ったまま更年期に入った場合のお話。
昨日は「冷え」を持ったまま更年期に入ると体にどんな変化が起きるのか
について書きました。↓↓↓
生理不順を持ったまま更年期に入った場合のお話。
閉経すると、生理が不順だったことは関係ないと思われるかもしれません。
しかし、生理が来なくなったことで目には見えませんが
生理不順の原因となった「体質は持ったまま」です。
●熱っぽい体質の人
〇実熱
〇陰虚火旺
この2つの体質は、「熱」によって「陰」や「血」を消耗しやすくなっています。
更年期とは「陰」や「血」といった体の中を流れている物質が虚すことです。
更年期を表す言葉として「陰虚」「血枯」がありますが、「熱」を持った体質の人は
「陰虚」や「血枯」が進みやすいと言えます。
「陰」とは「液」=「陰液」、つまり心も体も『潤す』ものが「陰液」です。
「陰液」の中には「血」「精」も含まれます。「精」はホルモン全体を指すと考えておくと
わかりやすいです。
「陰液」(潤い)が減ることでおこる症状がホットフラッシュ、汗かき,イライラする
不眠、手や足のほてり、口やのどの渇き、血糖値が上がりやすい(インシュリンと言いうホルモンの
不足)、目のかすみ乾燥など目の老化、四肢のしびれ,ふらつきめまいなど更年期の症状は出やすいで
す。
〇肝鬱化火
肝鬱化火の体質の人は、「気」が停滞して「熱」を発生しやすい状態にあります。
自律神経が亢進した状態です。
この「熱」は体温とは違い「邪」、つまり病気の原因となるものです。
更年期そのものが「陰液」が減り、熱化しやすい特徴がありますから、
余計に肝鬱化火が進行しやすくなりやすいです。ストレスがあるとさらに熱化します。
イライラしやすい、怒りっぽい、憂うつ感が強い、胸がつかえる、胸苦しい、呼吸が早い
上腹部の膨満感、頭痛、肩こり、便秘、不眠、難聴なども更年期によく見られます。
以上が熱っぽい体質の人でした。
●気虚の体質の人
気虚の体質の人はそもそもが「陽」が不足しています。
「陽虚」の体質です。温めるエネルギーが足りませんから、寒がり、冷え性です。
手足は冷える、疲れやすい。
そして、「陽虚」「気虚」の体質は邪(病気の原因となるもの)としての「湿」を
作ってしまします。「湿邪」のことは、このブログであらゆる病気の解説に出てきますから
自分の症状が当てはまることがあれば、注意して読んでみてください。
更年期になると、体質「陽虚」(気虚も含む)の上に「陰虚」(陰液不足)
が重なってきます。例えば、手足が冷えるのに汗は出るとか。
「陽虚」に偏っているのか
「陰虚」に偏っているのか
どちらかに偏ってきますし、季節や時と場合、病気によってどちらかが顔を出す。といった
とても複雑な状態が「更年期」です。時と場合に応じて頻繁に(7日とか10日とか)
飲んでいただく漢方薬の種類を変えることもよくあります。
「更年期」の時はよく観察する必要がありますから
漢方薬による治療は問診を大切にしています。
そして「更年期」は人によってどのくらいの期間つづくのか、5年なのか10年なのかは
分かりません。じっくりとゆっくり長い目で「漢方薬と付き合って」欲しいです。
漢方薬と長く仲良く付き合っていただくことが、アンチエイジングであり
老年期(60代半ばくらいから)におきる病気を遅らせたり、軽く済んだり
病気になったときに『治る体を作っておく』ことになります。
●瘀血の体質の人
瘀血、おけつとは血液が滞っていますから、栄養や酸素が細胞に運ばれにくいという
欠点があります。瘀血はもともとの体質から発生した結果です。
ですから瘀血という結果を招いた原因(元の体質)を治すことが
漢方薬による治療の特徴になります。
元の体質とは、冷え(寒凝)、気虚、陽虚、血虚、陰虚、熱盛、血熱、湿滞、気滞など。
様々な体質をそのままにしておくことで瘀血は発生します。
血液が滞ることでおこる病気は、重いものもあります。
心臓(循環器系)、脳、肺、目(眼底)
日常的なものとしては、関節痛、腰痛、静脈瘤など書ききれません。
生理不順の関連でいえば、生理痛がひどかった人、子宮筋腫、子宮内膜症があった人は
瘀血ができやすい体質といえます。