京都で更年期、頻尿、膀胱炎を漢方で治す【漢方錦】
2021/01/28
頻尿、膀胱炎を漢方薬で治す②(八味地黄丸について)
頻尿2回目です。
●膀胱湿熱(ぼうこうしつねつ)
頻尿、尿意切迫、排尿痛、排尿困難、尿道の灼熱感、残尿感
発熱を伴うこともある。
この場合は尿路感染症の可能性がありますので、抗生物質を短期間
2~4日間くらい服用するのは良いと思います。
長くても7日以内にして、その後漢方薬に切り替えられるといいです。
「湿熱」の邪が膀胱を犯し、「邪熱」が尿意を切迫させ、頻尿になり
「湿邪」が「気」を停滞させてしまい、排尿が困難になり、疼痛を伴います。
◎漢方薬を服用することによる治療方法
「熱」を冷ますとともに利尿によって「湿熱」の邪を排泄する漢方薬を
服用します。
次に50代くらい、閉経すると「腎虚(じんきょ)」になります。
「腎」の裏が「膀胱」なので、閉経以降は頻尿になりやすくて当然です。
よくテレビCMで頻尿、夜間の頻尿に「八味地黄丸」と宣伝しているのを見かけます。
「八味地黄丸」は「腎の陰陽両虚」に良い漢方薬ですから、理論的には
頻尿、夜間の頻尿に「八味地黄丸」なのです。しかし、「八味地黄丸」だけでは
なかなか効かないのが現実です。前回のブログの「肝鬱気滞」や「寒凝下焦」
女性ホルモンのバランスを良くすることと一緒に治療するべきです。
「過去に「八味地黄丸」を飲んだことがあるけど効いた感じがしなかった。」方は
ぜひご相談ください。
腎虚について説明していきます。
●腎虚
「腎」は「精」を蔵す。
「精」とは生殖に必要な栄養であり、「陰と陽」を作る元となる。
「精」から生まれる「腎の気」が津液(しんえき、栄養となる液体)を温め
気化して巡らせる。そして漏れないように守る。固摂(こせつ)という働き。
つまり。「腎の気」が膀胱での尿の排泄と貯留を調整しています。
「腎の精」が不足しすると気化と固摂が失調してしまい、頻尿となります。
かんたんにいうと老化ではありますが。
●腎陽虚
夜間の頻尿、多尿、日中は回数が少ない。四肢の冷え、寒がる。
腰や膝がだるい。
「腎の陽気」が不足するため、津液を温めて気化し全身に巡らせることができない。
日中は津液が停滞するため、昼間は尿量が減るかトイレの回数が減る。
しかし、夜間には「陽気」が裏に入り、気化がやや回復する。このため夜間の
頻尿になってしまう。
◎漢方薬を服用することによる治療方法
「腎の陽」を補う漢方薬と一緒に、肝気をのびやかにしたり、冷えを改善する漢方薬を
併用して服用します。女性ホルモンを整えることは必ずしておきたいです。
ちなみに男性の前立腺肥大症は、この女性ホルモン様の働きがあるものを
服用してもらいます。前立腺肥大による頻尿、残尿感に良いです。