京都で更年期を漢方で治す②【漢方錦】
2020/12/19
更年期の諸症状を漢方薬で改善する②
前回の「腎」の「陰」の不足(腎陰虚)が体質の人が
さらに年齢を重ねると、「肝」の「陰」「血」も不足していきます。
元々「肝」の「血」が不足している人は、余計に老化は早くなります。
だから私は「補血薬」を飲む漢方美容液と呼ぶのです。
先人もこう言ってます。婦人は血を持って本となす。
●「肝」と「腎」の「陰」の不足(肝腎陰虚)
めまい、のぼせ、イライラしやすい、憂うつ感、血圧上昇、手足がほてる、耳鳴り、頭重
症状として、めまいと血圧上昇はお客様にとても多いです。
特に「肝」の「陰」「血」が不足するという事は、自律神経は乱れまくると言って良いです。
◎漢方薬を服用して治療する方法
*めまいや血圧上昇がある場合
「水」の巡りが悪い人は「水」を下す漢方薬を服用します。
「水」はめまいだけではなく、血圧を上げる原因になります。
「陽」が上昇している人は、「陽」を降ろしながら「血」を補います。
「陽」が上昇している人でも、「陽」が不足している人がいます。
「陽」が足りないから「陽」が浮く。という理論が中医学にはあります。
上に書いた「陽が上昇する」とは意味が違います。
この体質の人は「陽」を補う漢方薬と「陽」が浮き上がらないように安定させる漢方薬を
服用します。この体質の人はとても多く、「陽」(エネルギー)が足りないので
憂うつ感、不安感、不眠を伴うことが多いです。
*イライラや憂うつ感、のぼせがある場合、ここに冷えが加わることもあります。
イライラは中医学では「肝うつ」ととらえます。「気」の停滞を合わせて持っていますから
「肝腎」の「陰」を補いながら「気」の停滞を取り除く漢方薬を服用します。
「肝腎陰虚」の不定愁訴は様々あり、個体差が大きいので、先ずは何よりも
ご相談にいらしたください。このブログではお店でとても多い例をあげています。
●「心」と「腎」の「陰」の不足(心腎不足)
「腎」の「陰」が不足し(腎陰虚)、「心」を潤すことができなくなる。
不眠、夢をよく見る、寝付けない、眠りが浅い、すぐに目覚める
不安感、うつっぽい、焦燥感など自律神経の症状がかなり出てきます。
閉経とともにストレスを強く受けている人は、心腎陰虚になりやすいです。
◎漢方薬を服用して治療する方法
この体質の人は、不眠を訴える人がとても多いですから
まず眠りを改善することが大事です。
「心」の「陰」や「血」を補う漢方薬を服用します。
自律神経のバランスを良くするものも一緒に服用するほうが良いです。
「腎」の「陰」を補う漢方薬も服用したほうが良いです。
「心」の「陽」が不足している人は、「陽」を補う漢方薬を服用します。
肝腎陰虚でも書いたように、「陽」が足りない人は「陽」が浮いてしまわないように
「陽」を安定させる漢方薬も一緒に服用します。
●「肺」と「腎」の「陰」の不足(肺腎陰虚)
乾いたせきや息切れ、口やのどの乾燥感があらわれます。
50代ではあまり見られませんが、60代に入るとグンとこのような症状を
訴える方が増えます。
風邪でもないのにせきが出る、人ごみの中に入るとせきが出る
人と話しているとせきが出る。口やのどの乾燥感。
人ごみの中や誰かと話していると急にせき込む人がいます。
この場合、女性ホルモンの減少により、自律神経の交感神経が優位な状態になっていると
考えられます。もちろんストレスが引き金になることも多いです。
◎漢方薬を服用して治療する方法
「肺」と「腎」の「陰」を補う漢方薬を服用します。
自律神経の乱れ、ストレスによる「気」の停滞があることが多いですから
自律神経のバランスを良くするもの、「気」の停滞を取り除く漢方薬を服用します。
次は「腎」の「陽」の不足(腎陽虚)の体質の人について書きます。
明日20日(日)は上海中医薬大学日本校のzoomセミナーです。
シェアできるものがあれば、こちらでで紹介します。