京都で更年期、低体温を治す①【漢方錦】
2020/11/26
低体温を漢方薬で治す①
今日から低体温の解説に入ります。
人に必要な体温について詳しく書いています。しっかり見ておいてください。
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低体温の漢方(中医学)解説に入ります。
冷え性と同じで体質は陽虚があります。
●脾腎陽虚(陰寒内盛)
五臓の内の「脾」と「腎」の陽虚のために陽気を作ることができず
全身に陽気が巡らず、温煦作用が低下して低体温になります。
例えて言うと、人(車)に食べ物(ガソリン)を入れたが、
脾と腎(エンジン)が動かず、体温が上がらない(車が動かない)。
冷たい物を飲み食いすることが多いと、「脾陽」を傷つけます。
50歳くらいまでは生長(成長ではない)、発育に「陰」を使うので
「陰虚」(陰の不足)の人が多い。
「陽」が勝っているので、体温もしっかりあります。
しかし、50歳を過ぎると逆転して「陽虚」となり、老化とともに
「陽虚」がひどくなります。つまり加齢とともに低体温になります。
寒がる、寒冷を嫌う、冬は苦手、飲食も温かい物が好き、四肢の冷え、腰や膝がだるい
便がゆるい、下痢(冷えると便秘する人もいる)。
◎漢方薬を服用して治療する方法
「脾」「腎」を温めます。寒(冷え)を追い出します。
●寒湿(湿気と冷えの病態)
寒さに当たったり、冷たい物の飲食、湿気の多い環境により、寒湿が外部から侵入したり
または、「陽虚」の体質のため寒(冷え)と水湿を体内で生んでしまい、体内に
「寒と湿」が停滞する。
身体の冷えと水分(湿)を停滞させるので、むくみを伴います。
水分が皮下や筋肉内にあふれ、身体にとって余分な重みになると同時に
筋肉の動きを阻害するため、重だるく動きにくいと自覚する。
水分が血管を外から圧迫するので血行が悪くなり、外の寒冷で冷やされると
さらに冷えが強くなります。水分は下にたまりやすいので下半身が冷えます。
●陽虚寒湿
上のような状態が続くと、慢性病、老化により、陽気が衰えて、さらに虚寒が生じる。
「陽気」が衰えると水分(湿)を生み,寒湿となり、寒湿が陽気を停滞させます。
熱代謝が虚弱となり熱量を生みだしにくくなり、血行も不足し、低体温になります。
◎漢方薬を服用して治療する方法(上の2つに共通)
陽気を温め、水質を取り除きます(利水)。
陽気を温めるとは主に「腎」を温めることになります。
●寒湿停着肌肉
「湿邪は下から受ける」と言います。水分は重いので下方に停滞しやすいので
下半身が冷えることが多くなります。
環境を温かくしにくい、魚屋さん、八百屋さん、調理師さんは湿気が多く、冷えやすいので
この症状になる方が多いです。外の湿気や冷えが体内に入り留まり、血行を阻滞し
慢性化すると「陽虚寒湿」に変化します。低体温となります。
私のお店のお客さま(女性)でお寿司屋さんがおられ、下半身の冷えから
足首のリウマチになられ、約20年くらい前から今もずっと漢方薬を飲んでいらっしゃいます。
(リュウマチの症状、痛みは治まっています。)
低体温もリュウマチも、環境が冷えやすく湿気も多いとなりやすい病気であり、
治し方も似ているというのが漢方薬の面白いところです。
全く違う病気なのに同じ治し方、同じ漢方薬を使うことを『異病同治』といいます。
◎漢方薬を服用して治療する方法
散寒利湿、寒を取り除き、湿を取り除く漢方薬を服用します。
●血虚受寒
低体温は女性に多いと言われます。男性に比べて筋肉量が少ないためと言われています。
これは中医学的には「肝は血を蔵す」と言いますが、「肝」は筋肉を司ります。
「血」が不足したため(肝血虚)、「血」が筋肉を濡養できない状態を指しています。
(筋肉の栄養となるのが血)
肝血虚の体質の人が、環境の寒邪の影響や冷たい飲食の影響を受けて
寒邪が停滞し、固まり体温を上げることができなくなります。
足の内側に強い冷えを感じることが良くあります。
手足が冷える、四肢が冷たい、体が傷む、お腹が冷えて痛む。
◎漢方薬を服用して治療する方法
暖肝温胃、 肝、胃を暖める漢方薬を服用します。
低体温、続きます。