京都で更年期、不眠を治す②【漢方錦】
2020/10/23
更年期以降おこりやすい病気不眠症②
更年期以降おこりやすい病気、不眠症。2回目、慢性の不眠について説明していきます。
●慢性の不眠
漢方薬は、西洋薬、病院で出される入眠材や安定剤のように即効性はありません。
しかし、体内の状況を次第に改善して、自然の睡眠へと向かわせる着実な効果を期待できます。
●痰熱擾心(たんねつじょうしん)
イライラして寝つきが悪い、夜中に目を覚ます、夢を良く見る。
飲食の不摂生、飲酒癖により「脾」の「気」が滞り、「痰湿」が生じます。
この「痰湿」が生じて、滞り、体内に長くとどまってしまうと、「熱」と結びつき
「痰熱」となります。
「熱」とは、ストレスでも生まれますし、脂っこい食べ物、香辛料、お酒
などを良く食べる人は「熱」を生みやすいです。
「痰熱」が上にあがり「心」の「神」を乱し不眠になります。
〇漢方薬による治療方法
「熱」を冷ましながら「痰」を除去する漢方薬を服用します。
「痰」に関してはまだ「熱」にまで達していない状態、つまり単なる「痰」でも
不眠になります。この場合は「痰」だけ除去する漢方薬を服用します。
日本人はもともと「脾」が丈夫な民族ではありません。
「痰」よる不眠を起こす人はとても多いです。
●肝鬱血虚(かんうつけっきょ)
イライラして寝付けない、眠りが浅い、寝てもすぐに目が覚める、怒りっぽい
憂うつ、ため息、顔いろが悪い、
肌に艶がない、生理前に胸やお腹が張る。
精神的なストレスや緊張した状態が長くつ続くと「肝」の「気」の流れが悪くなり
「血」を消耗させたり、「脾」の働きを弱らせ「気」「血」を作ることができなくなります。
「気」「血」の不足により、「肝」の「血」「肝」の「気」の失調がひどくなります。
「肝」の「気」が停滞し(肝鬱)、「肝」の「血」が不足すると(肝血虚)
「心」の「神」を乱し不眠になります。
〇漢方薬による治療方法
「肝」の「気」の流れを良くして、停滞をなくすことと同時に「肝」の「血」を増やす
漢方薬を服用します。
「肝」の働きを改善することで「心」の「神」を安定させます。
「肝」の「気」の停滞、「肝」の「血」の不足も多くの女性に見られます。
私はこの治療は不眠がなくても、なんの困った症状がなくても
(実際にはお話を伺うと、何かしら不健康な部分を持っている人ばかりです。)
「肝」の「気」を流す漢方薬、「肝」の「血」を補う漢方薬を
女性なら常に飲んでおくことが《養生》だと考えても良いと思っています。
●心脾両虚(しんひりょうきょ)
眠りが浅く夢を良く見る、夜中に目が覚める、寝てもすぐに目が覚める。
疲れやすい、倦怠感がある。
出産後、病後、思い悩むことが多い、過労により、「心」の「血」や
「脾」の「気」が不足し、「脾」が「気」「血」を作ることができず
さらに「心」の「血」で「心」を潤すことができなくなり
「心」の「神」が不安定になるため不眠になります。
私の考えでは(教科書にはかいてませんが)、産後うつになるタイプ、性質、体質の人は
心脾両虚の人が多いのではないかと思います。
〇漢方薬による治療方法
「脾」の働きを回復させて「「気」「血」を作れるようにして、
「心」の「血」を補い、「心」の「神」を安定させます。
更年期におこりやすい病気、不眠症①には急性の不眠、一時的な不眠について書いています。
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