京都で漢方で夜間の頻尿を改善する①【漢方錦】
2021/12/21
漢方錦 石蔵友紅子(いしくらとくこ)です。
今日から「夜間の頻尿」を漢方で改善する方法を書いていきます。
男女ともに加齢とともに相談はとても多いです。
テレビCMで八味地黄丸(はちみじおうがん)のコマーシャルをよく見ます。
頻尿、夜間の頻尿と言えば「八味地黄丸」といったイメージがあるのですが
実際に漢方専門薬店をしていると「八味地黄丸」を単品で使うことはないです。
ほかの漢方薬と併用することになります。やっぱりお一人お一人体質が微妙に違います。
夜間の頻尿とは寝てからおしっこのために1回以上起きなければならない症状のこと。
よくある間違いは、夜寝る前に水分を摂ると血液がサラサラになり、
脳梗塞や心筋梗塞が予防できると思い、寝る前や夜間にたくさんの水分を摂る人が
います。これは逆に水分の摂り過ぎで頻尿になっていることがあります。
むしろ水分を控えることが必要です。(参考資料 日本泌尿器科学会)
〇夜間の頻尿の漢方(中医学)が考える原因
●腎精(じんせい)の減少
腎精とは生命の源という感じでとらえてください。
生命の源が減るので、夜間寝ている間に、おしっこを貯めておけない。
何となくそんなイメージです。
腎精には2つあります。
腎陽 温める作用→加齢で減るので冷える
腎陰 潤す作用→加齢で減るので乾燥する
⇓⇓⇓
結果 (膀胱の筋肉が)萎縮する、硬直する
おしっこを貯めておくことができなくなる。
〇漢方薬による改善方法①
腎陽や腎陰を補う漢方薬を服用します。
しかし、加齢とともに血流が悪くなると、水分が下半身にたまりやすくなります。
(むくみや腰痛、関節痛も出やすくなります。)
⇓
夜間、体を横にすると静脈還流量が増える。
このため腎臓への血流も増えて、尿量が増える。
〇漢方薬による改善方法②
①の腎陽や腎陰を補う漢方薬と血流を良くする漢方薬を服用します。
次に多い原因が、眠りが浅かったり、眠れないなどの睡眠障害のために
トイレに行きたくなります。
●睡眠障害による夜間の頻尿
陰と陽はどちらも平均的にバランスよく体内に存在すればよいのですが
そうはなかなか行きません。人は養生できればいいですが
ほとんどの人が不養生なもんです。しょうがないです、、、
睡眠は「腎」も関係ありますが「心」の問題が大きいです。
漢方(中医学)が考える「心」とは心臓の意味もありますが、大脳の意味でもあります。
心の陽(心陽)が旺盛になると、脳が興奮して、寝つきが悪くなる。
心の陰(心陰)が衰退すると、栄養が不足して、睡眠状態を維持できなくなる。
→眠りが浅い、目が覚めやすい、夜中に何度も目が覚める。
〇漢方薬による改善方法①
心腎不交(しんじんふこう)のタイプ
腎の陰が減ることで、心の陰にも影響が出て減ってしまう。
中年以降に多いタイプです。
症状は、寝つきが悪い、眠りが浅い、良く夢を見る、目が覚めやすい。
腎陰がかなり減っていますから夜間の頻尿にもなります。
腎陰や心陰を補う漢方薬を服用します。
夜間の頻尿はまだ続きます。予定は23日(木)に書く予定です。