お酒を飲まないのに肝臓の数値が高いのはナゼ?【京都漢方錦】
2021/04/15
「お酒飲まないのに肝臓の数値が高いのは何でですか??」と
けっこう深刻な様子で聞かれることがよくあります。
女性はもちろん,男性もに良く聞かれます。
私のお店は女性のための漢方相談ですが、男性のお客様もいらっしゃいます。
男性の方も気にせずご相談にいらしてください。
で、そりゃそうですよね。肝臓の数値が高いとビックリされると思います。
病院ではなぜ高いか理由を教えてくれません。もちろん重篤な病気があれば
すぐに治療となるでしょうけれど、普通に生活できていて
「数値がちょっとたかいですね。」というレベルの場合のお話しなら
何も言われないことがほとんど。
ナゼ病院で教えてくれないかって?(⇒そのワケは、理由を知らないから。です。)
おさらいとして、肝臓の検査項目から見ていきます。(良くお客様より聞かれるものだけです。)
●γーGPT (基準値) 男性5~50IU/l 、 女性2~36IU/l
検査の目的 アミノ酸代謝に関する酵素、肝障害があると高値となるので
肝障害の検出に用いる
疑われるおもな病気 高値:アルコール性肝障害、薬剤性肝障害、急性肝炎、閉塞性黄疸
肝硬変、胆汁性肝硬変、肝がん
検査での注意点 飲酒する人ではほかの検査に異常がなく、この検査のみ異常となる場合がある
●GOT(AST) (基準値) 8~40
検査の目的 アミノ酸やエネルギーの代謝に関係する細胞内の酵素、肝臓、心筋、骨格筋など に病気があると高値になるので、これ等の検出に用いる。
疑われるおもな病気 高値:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、多発性筋炎、筋ジストロフィ症
検査での注意点 採血時に溶血すると高値となる。激しい運動の翌日にも高値となる。
●GPT(ALT) (基準値) 5~45
検査の目的 アミノ酸やエネルギーの代謝に関係する細胞内の酵素、肝臓に障害があると高値となるので、肝障害の検出に用いる。
疑われる主な病気 高値:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝
血液検査表をお持ちいただいて拝見すると、
ほぼこの3つのうちのどれかが高いことが良くあります。
◎40代後半から50代の閉経期に入る女性では、女性ホルモンの減少が原因です。
肝臓には女性ホルモンのうちの「エストロゲン(卵胞ホルモン)」を受け取る
かぎ穴のようなものがあります。このかぎ穴のことを受容体(レセプター)といいます。
肝臓にエストロゲンが流れている理由としては、脂質、糖質の代謝を
エストロゲンがよくしていると思われます。
だから、閉経期になって若い頃と同じような食生活をしていると
肝臓の数値が高く出る可能性があります。(ケーキとか揚げ物とか)
◎女性でお酒が好きな方はγーGPTが高くなることがあります。
多くの方が「そんなに大酒のみでもないのに…」と言われます.
(男性は単に飲みすぎかな?)
女性は少ない量でもγ-GPTが高くなることがあります。
その理由は
●女性の肝臓は男性より小さい。
●体は男性より小さいのに体脂肪は男性より多い。アルコールは脂肪には溶けにくいため
お酒を飲んだ時の血中アルコール濃度が男性より高くなります。
●女性ホルモンにはアルコールの分解を抑える作用があります。つまり女性はアルコールが
分解されにくい。
以上のような理由から少しのお酒でもγーGPTが高くなることがあります。
◎GPTが高い場合も多いです。この場合は脂肪肝であることが多いと思います。
「隠れ脂肪肝」といいます。(非アルコール性肝炎とも言います)
現代人は「隠れ脂肪肝」が増えていると言われています。
「隠れ脂肪肝」の原因は
●甘いものをよく食べるようになった。(洋菓子系は砂糖と油を一緒にとることになります。)
●油を使った食事が多くなった。しかも使っている油が「オメガ6」であること。
(オメガ6は摂りすぎると体内で炎症をおこす)
●食品添加物の影響(持ち帰り総菜やコンビニ弁当などを利用することが多くなった。)
●残留農薬の影響
●薬剤性(化学合成の医薬品は肝臓で代謝される)
●ストレスによる活性酸素の大量発生
上の3つは現代人は要注意です。下の3つは自分では避けられない面があります。
肝臓は化学薬品、農薬、食品添加物、保存料などを解毒する場所です。
肝臓にたくさん化学薬品が入って、必死に解毒しようと働きすぎると数値は高くなるかもしれません。
私たちが食べているものがどんなものでできているか、ちょっと気にしてみてもいいのでは。
知らず知らずのうちに添加物や保存料を体に入れています。
お店に来ていただくと、食品表示の見方や食品添加物で体に良くないものをお伝えしています。
薬剤性でいうと、生理痛や頭痛で鎮痛剤をよく飲む方は、根本治療を考えてみませんか。
治療上どうしても薬を飲まなければならない方もあるでしょう。
そんな方にも肝臓の働きが低下しないように予防する方法が私のお店にはあります。
こんな方は私にご相談ください。
★できれば鎮痛剤は飲みたくない。
★鎮痛剤を飲んでいると体に良くないのではないか?と心配になることがある。
★この先ずっと病院の薬を飲んでいくことや、薬が増えることに抵抗がある。
ストレスについては漢方薬でストレスを軽くする方法もあります。